M&A仲介とFASの1日の仕事の流れの違い|同じ「M&A」でも働き方が変わる理由

M&A仲介とFASの1日の仕事の流れの違い|同じ「M&A」でも働き方が変わる理由
「M&A業界」とひとくくりにされがちですが、M&A仲介とFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)では、1日の動き方が大きく違います。仲介は売り手と買い手をつなぎ、案件を前に進める営業起点の仕事。FASはデューデリジェンス(買収監査)やバリュエーション(企業価値評価)といった分析起点の仕事です。同じ「M&Aに関わる」でも、時間の使い方も、求められる力も、向いている人も変わります。この記事では、両者の1日の流れを対比しながら、転職を考えるときの判断材料を整理します。
目次

まず、立ち位置が違う

1日の流れを比べる前に、両者がM&Aのどこに立っているかを押さえます。ここが分かると、日々の動きの違いが腹落ちします。

M&A仲介 FAS(財務アドバイザリー)
役割 売り手と買い手をつなぎ、成約まで導く 買い手(または売り手)側で財務・数値の助言をする
起点 営業・関係構築 分析・検証
成果の測り方 案件の成約 分析レポートの質・意思決定への貢献
関わる相手 経営者本人が中心 買い手企業・会計士・弁護士など専門家が中心

M&A仲介の1日(営業起点)

仲介の1日は、人と会い、案件を動かすことに時間が割かれます。売り手(多くは中小企業の経営者)と買い手の間に立ち、双方の意向を汲みながら合意点を探します。

  • 午前:経営者への訪問・面談。事業や譲渡の意向のヒアリング。
  • 日中:買い手候補への打診、条件のすり合わせ、資料(ノンネームシート等)の作成。
  • 夕方以降:面談のフォロー、案件の進捗管理、社内での案件共有。

仲介で効くのは、経営者と信頼関係を築く力と、感情も絡む交渉を前に進める推進力です。数字も扱いますが、中心は「人と案件を動かすこと」。営業経験が活きやすい職種です。

FASの1日(分析起点)

FASの1日は、数字と資料に向き合う時間が長くなります。買い手が「この会社を、この価格で買って大丈夫か」を判断できるよう、財務や事業の実態を検証します。

  • 午前:対象会社の財務資料の読み込み、デューデリジェンスの論点整理。
  • 日中:バリュエーション(企業価値評価)のモデル作成、会計士・弁護士との論点共有。
  • 夕方以降:分析結果のレポート化、クライアントへの報告準備。

FASで効くのは、会計・財務の理解と、膨大な情報から論点を抜き出す分析力です。経営者と直接交渉するより、数値の裏側を突き詰める仕事が中心になります。会計士や財務経験のある人が活きやすい職種です。

ざっくり言えば、仲介は「案件をまとめる仕事」、FASは「案件を検証する仕事」です。どちらが上ということはなく、動かすことに面白さを感じるか、突き詰めることに面白さを感じるかで向き不向きが分かれます。同じM&Aでも、毎日の充実の源泉が違うということです。

向き不向きの目安

こういう人に向きやすい 仲介 FAS
人と会い、関係を作るのが好き
数字を掘り下げるのが好き
成果が「成約」で見えるほうが燃える
会計・財務の専門性を深めたい

まとめ

M&A仲介とFASは、同じM&Aに関わりながら1日の動き方が逆です。仲介は経営者と向き合い案件を動かす営業起点、FASは数字と向き合い案件を検証する分析起点。転職先を選ぶときは、年収やブランドだけでなく、自分が「動かす」ことと「突き詰める」ことのどちらに充実を感じるかで見ると、入った後のミスマッチが減ります。ご自身の経歴と適性を整理したい場合は、キャリア相談からご相談ください。

M&A仲介とFAS、自分にどちらが合うか整理したい方へ。
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